谷本 心 in せろ部屋

はてなダイアリーから引っ越してきました

Java系OSS界隈の有償化は衰退ではなく進化?

Java系では最近OSS界隈でも有償化の流れは少し見えますね。特にSpring界隈で。
OSSとビジネスについての関係はEric Sink on the Business of Softwareでも語られていますが、
まさにOSSでより良いビジネスを成立させていく方法をグローバルでは模索しているのは確かでしょう。
その結果として、OSSの部分を維持しつつ、今までより付加価値が付く・継続性が確保されるなどの
効果があるなら、一部有償にするくらいならそれは喜ぶべきことなんじゃないかと思います。


というわけで衰退って感じじゃないかなと。OSSを継続的にやっていくために、どのようにすれば
ビジネスを巻き込んでやっていけるかという観点を色々模索してるところじゃないかと思います。

Java系OSSの衰退は本当か -- おおたに6号機blog

私も「衰退ではない」、
逆に、ビジネスが絡んで、面白くなってきていると思います。


この所、ビジネスで使う以上は、OSSでも無償でも、
サポートに金を払うべきかなと、強く考えるようになってきました。


別に「OSSにお金を払うことで、継続してもらいたい」というスタンスではなくて、
「お金を払った方が安い」と思うからです。


たとえば、Java SE for Businessだって、500ライセンス買っても数十万円。
JTestやIntroscope、Fortifyなんかの1ライセンスよりも安いでしょ。
# 弊社のENdoSnipeは、それよりも、もう少しお求め安い価格ですが (^^


しかも、インシデント数には制限がないんですよね(少なくとも、今のところは)


それで、たとえば

 bugdatabaseを参照すると分かりますが、この問題はJDK6.0では修正されてい
 ます。しかし、JDK5.0は現時点(JDK 1.5.0_16)では修正されていません。

 このためJDK5.0を利用したアプリケーションの場合には、
 JDK6.0へ以降するか、以下の3つのメソッドの利用を避ける必要があります。

【JTS】Vol.008:getStackTrace()を頻繁に実行するとOutOfMemoryErrorが発生 -- Javaトラブルシューティング メールマガジン

みたいな問題が解決するんだったら、やっぱり安いと思うんですよね。


むしろSunはとっては割りに合わないんじゃないかな、と思うぐらいの値段設定が
「ビジネスで使うなら、まずサポートに入ってください」という
意志の表れなんじゃないかな、と思いました。


ちなみに、Seasarのサポートも同様だと思います。
1インシデントあたり3万円 or 6万円という値段設定は、非常に安い。


社内のプロジェクトで、Seasar周りで問題が出れば、私が直すこともありますが、
多分、私が直すよりも、サポートに入って直してもらう方が安いでしょう。
正直、それでどうやってビジネスが成り立つのか、よく分からないぐらい安いです。


逆に、私が前のエントリで書いていた「携帯電話用FlashLite」は、
散々悩まされるものの、どこにどうお金を払えば
確実なサポートを受けられるのかも分からず、
ソースがないため自力で根本問題を解決することもできませんでした。
(いや、回避はできましたけどね)


そこから、「ソースが見えること・直せる事」が
どれだけ開発時のトラブルの助けになるかを、改めて思い知らされました。


総論すると、
いまの私のJavaOSSに対する捉え方は、
「ビジネスで使う上では、基本的には有償サポート込みの値段で考えるのが前提。
 いざという時には、俺様が問題を解決することもできる、有償プロダクトの一種」
ぐらいです。


で、そういう風に捉える人は、増えてきていると思います。
だから、衰退というよりも、形が変わって面白くなりそうなんですよね。
Linuxみたいに、普通に有償サポートをする会社が増えてきたりね。


あ、そういや、
NRIがやってるオープンソース有償サポートサービスって、
どれぐらい人気あるんだろう?


また今度、聞いてみたいな。