谷本 心 in せろ部屋

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Dapr Advent Calendar 23日目 - Daprのロードマップ

こんにちは Dapr Advent Calendar 23日目です。これまでのAdvent CalendarではDaprの機能や使い方を紹介してきましたが、今後、Daprはどういう方向が強化されるのでしょうか。そのロードマップを少し眺めてみたいと思います。

Daprのロードマップを見てみよう

Daprのロードマップは、Github Projectsで管理されています。

github.com

ロードマップにはいくつかのレーンが設けられています。

Backlog は対応予定だけど優先順位が確定していないもの。👍をつけていけば優先度を上げられるようです。

Planned (Committed) はだいたいマイルストーンが決まって設計を検討しているもの。

In Progress (Development) は開発中のもの。

DoneReleased はそれぞれ開発完了のものとリリース済みのものです。

もちろんすべてのIssueは紹介できませんので、In Progress、Planned、Backlogの中から、主要なものや面白そうなものをピックアップして紹介します。

In Progress

現在開発中の In Progress には、2021-12-23時点で8個のIssueがあります。4つが現在AlphaやBetaのコンポーネントをGAにするとか、作り直そうというものです。

残りの4つを簡単に紹介します。

Planned

今後対応予定の Planned には、2021-12-23時点で26個のIssueがあります。

品質周りのIssueが多く、現在AlphaやBetaのコンポーネントをGAにするとか、DaprコンポーネントのE2Eテストや結合テストを強化するなど、内部の品質を高めるissueが全体の半数を超えています。

残りの半数のうちから、興味深いものをいくつか紹介します。

Backlog

まだマイルストーンなど決まっていない Backlog には、2021-12-23時点で25個のIssueがあります。いつ出てくるかは分かりませんが、逆に言えば少し規模や影響の大きなIssueも多いです。

Pub/sub関連

分散トレーシング関連

ネットワーク関連

その他

また、ロードマップにはないのですが components-contribのissue で、次のIssueが重要なものとしてピン止めされています。

ECS上でDaprを動かせるようにしようという提案。以前にもこのAdvent Calendarの中で触れたことがありましたが、ECSで使えるようになればユーザーも増えるんじゃないかと期待しています。

まとめに代えて

全体を眺めた感じ、品質向上のテーマや既存機能の改善がほとんどで、とんでもない大物が待っているような気配はありません。まずはアーリーアダプターが使って満足できるように足場を固めているところ、という感じでしょうかね。利用者が増えてきたり、Azureと絡めて予算がつくようになってくれば、また傾向が変わるかも知れません。

ところで、「とんでもない大物」と言えば、ロードマップにはありませんが、こんなIssueがありました。

github.com

SQLを発行するためのAPIを作ろう、トランザクションも有効にしよう、というものです。さすがにそれは考えないようにしてるのかな、と思ってたのですが、少なくとも提案はされているようですね。ちょっと注目しておきたいIssueです。

そんなわけで、今回はここまでにしたいと思います。

明日のAdvent Calendarは、@backpaper0さんがDaprのActorについて書いてくれる予定です。Actorはよく分からなくて飛ばしたところなので、楽しみですね!

それでは!