谷本 心 in せろ部屋

はてなダイアリーから引っ越してきました

本とか読んでみたら、がっかりした。

恥ずかしながら、これまでほとんど本を読まなかったんだけど、
今年に入って「通勤時間」というものができたので、本を読む習慣ができてきた。
それで最近読んだ本が、あまりに面白くなかったので紹介。


会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (勝間和代) - Amazon.co.jp
勝間和代さんは「効率が10倍アップする新・知的生産術」の評判だとか、
その時にどこかのblogで若干炎上気味だった件を見て、敬遠していたんだけど、
食わず嫌いはいかんと思って、会社の売店で売っていた本書を購入。


いや、面白くないんですよね。
「終身雇用制はダメ」とか「リスク感覚の欠如が原因」を軸にしながら
全体的にダラダラした調子で、世の中の問題を、
何でもかんでも終身雇用制とリスク感覚に結びつけて並べていく感じになっていて。


勝間和代さん自身は凄く成功した人だし、ノウハウもあるんだろうけど、
それを上手く表現できないのか、論理的に(かつメリハリをつけて)説明する力が足りないのか、
とにかく読んでて「なるほど」とも「おぉ」とも思えない。


で、結論に出てくるのが「日本での道州制の採用」とか。
この本を読むぐらいなら、大前研一さんの本を読んだほうがよっぽど有意義じゃん、っていう。


ちょっと右脳的な感覚なんだけど、この本のターゲットって
「あんまり仕事をがんばってない人」とか「非正規雇用でちょっと損をしてる人」とか
じゃないのかなっていうのが、読後の感想。


「効率が10倍アップする新・知的生産術」もそうなんだけど、
タイトルでは煽るだけ煽って、中身がそれに伴ってない(読者層が違う)感じ。


タイトルが「効率が10倍アップする新・知的生産術」じゃなくて
「いまのITはこんなに便利! はじめてのGmail」とかなら別に構わないよね。
そんな本だったら、最初から読もうと思わないから。


もう一冊。
「社長力」養成講座 (小宮一慶) - Amazon.co.jp
これはGWに旅行した際に立ち寄った本屋で、売り上げ一位だった本。


これがまた面白くない。
「社長に必要なのはこういう力だ」って紹介してるんだけど、内容がありきたりで、
その上、根拠も事例もほとんどなく、説得力も読み応えもない感じ。


あまりに面白くなくて、10分ぐらいで全ページ流して終わってしまった。


伸び悩んでいる中小企業の社長、あるいはポリシーのないサラリーマン社長が、
自分の方針は大丈夫かな、っていうチェックリスト程度に使えるんじゃないかな、って思った。
いや、自分はただのエンジニアなので、実際に社長な人が読めば面白いのかも知れないけど。


あるいは、自分がこの本を「ありきたり」と思えるぐらい、
社長に恵まれている、ってことかも知れないけどさ。


ちなみに、最近読んで面白かったのは、この一冊。
質問する力 (大前研一) - Amazon.co.jp
2003年の本(文庫になったのは2005年)で、ちょっと古めなんだけど、
書いている内容は全く古びてない。


前提や一般論、あるいは「上」の決定事項やマスメディアの報道に対して
「なぜ、そうなのか」を考える癖をつけようと促している。
あるいは、「分からなければ素直に聞けば良い、そうしたら、問題が解決するか、
相手が困り始めるから」ということが事例と共に上手く説明されている。


主に日本という国の方針について、素直に質問する人がいない、という論調だから、
この本を読むと、いま流行りの「日本はもう立ち直れない」論に乗りたくなっちゃうかも(笑


いずれにせよ、こんな本を読んだ後に、勝間和代さんの本を読んでも、面白くないわけだ。