メッシュルーターの選び方について整理した。
急に冷え込んだ昨今、さすがにこの寒さではメッシュの服など着ることができませんので、せめてルーターだけでもメッシュにしてはどうでしょうか。
なーんて、寒さに拍車を掛けかねない妖怪、@cero_t です。みなさまお風邪など召されておりませんでしょうか。
さて、今年のはじめ頃に、Linksys Velopというメッシュルーターを買いました。 cero-t.hatenadiary.jp
メッシュルーターというのは、複数のルーターで同じSSIDを使い、家中でどこにいても快適にWi-Fiが使えるというものです。既存のルーターを複数使って、ただただ同じSSIDを使うだけだと、電波の悪いルーターに繋ぎっぱなしになることがありますが、メッシュルーターであれば端末さえ対応していれば(大体対応してる)通信状況の良いSSIDが選択されます。
そんなわけで実際にメッシュルーターを使って色々試し、なるほどこれは便利だなという部分と、なんとこれは知らなかったなみたいな部分があり、様々な経験値を貯めていたところ、ちょうど実家のほうからも「Wi-Fiが不安定だから何とかしたい」という声が届きまして、このタイミングでメッシュルーターの選び方や構成について改めて整理することにしました。
製品選び
この1年で、だいぶメッシュルーター製品が増えてきています。GoogleからもGoogle Wifiに続きGoogle Nest Wifiという よく分からない 製品が出てきましたし、2019年末の現在は、Wi-Fi 6(802.11ax)対応がちょうど出てくるタイミングでもあります。
ただWi-Fi 6対応製品はまだまだ高価なのと、自宅にも実家にもWi-Fi 6対応デバイスがないので、今回はWi-Fi 6対応製品のことは考えないことにしました。
そうやって選択肢が増えてくると、どの製品を選んで良いか分からなくなりがちですので、まずは選び方について整理します。 既製品リストは、こちらのサイトが詳しいです。 24wireless.info
製品を選ぶ時に気をつけるポイントは、まず2つ、「有線LANの有無」と「契約している回線(のルーター)」です。
(Q1) 各部屋に有線LANが配線されているか?
1つめの問は、各部屋に有線LANが配線してあり、メッシュルーター間を有線でつなぐことができるかどうかです。
- できる → 「有線バックホール」に対応した「デュアルバンド」製品を選ぶ
- できない → 「トラインド」製品を選ぶ
有線LANを使ったメッシュルーター間の通信は「有線バックホール」または「イーサネットバックホール」と呼ばれています。有線LANが配線されている家であれば、この機能を使ったほうが通信の速度も品質も高くなります。ちなみに無線を使った通信は「無線バックホール」「Wi-Fiバックホール」と呼ばれています。
また、有線バックホールを使う場合に、基本的には「トライバンド」対応製品を選ぶ必要はなく、「デュアルバンド」対応製品を選べば良いようです。トライバンドのうち1バンドはメッシュルーター間の通信に使わるようで(そうでない製品もあるかも知れませんが)、割高なトライバンド製品を買っても性能がコストに見合わなくなるためです。
逆に有線LANが使えない場合には、トライバンド製品を選んだほうが無難でしょうね。
(Q2) インターネット回線はどれか?
2つめの問は、インターネット回線の接続方式についてです。接続方式とルーター機能の有無によって選ぶべき製品が変わります。
これによって、次のように選ぶ製品が変わります
- 1 → どれを選んでも良い。高機能/高性能なルーターを選ぶとルーターの機能を活かせる
- 2 → 「フレッツ網でのIPv6 IPoE接続」に対応した製品を選ぶ(Buffalo、ELECOM、Synologyのいずれか)
- 3 → 「ブリッジモードでのメッシュNW構築」に対応した製品を選ぶ。ルーター自体の性能は活かしにくい
インターネットガチ勢の皆様におかれましては、フレッツ光を使っておきながらIPv4に甘んじることはまず考えられないと思いますので、フレッツ光においては選択肢の「1」は消えて「2」になりますので、Buffalo、ELECOM、Synologyの3社のうちのどれかを選ぶ形になります。
それ以外、たとえばeo光、auひかり、NURO光などの場合は、どれを選んでも構わないことになります。
eo光はホームゲートウェイのルーター機能をOFFにできますので、高機能/高性能なメッシュルーターを使うと良いでしょう。
一方、auひかりやNURO光なら安めのやつで良いかなという感覚です。
逆に言えば、メッシュルーターが持つQoS設定やアクセス制御、セキュリティ機能などを使いたい場合であれば、ISPが提供するホームゲートウェイのルーター機能はOFFにする必要があります。ただ、その場合に 3 のようなISPを使っているとルーター機能はOFFにできない(あるいは二重ルーターにせざるを得ない)ので、ISPごと乗り換えてしまいましょう、みたいな話になるので注意してくださいね。
ちなみに僕はISPごと乗り換えることにしました。
接続構成
続いてメッシュルーターの台数を考えたいところですが、そもそもメッシュルーターをどのように構成するかによって、必要な台数は変わってきます。
先のQ1、Q2の結果によって、構成は次の3パターンに分けることができます。
すみません本当は綺麗な絵を描いていたはずなのですが、どこからともなく現れた妖怪ザツナテガキに襲われてしまって、絵がこんな悲惨なことになりました。。。ちくしょう、妖怪ザツナテガキめ。。。
パターン1 : 無線接続(Q1が「できない」、Q2は何でも良い)
無線で接続する場合、インターネット回線を家に引き込んでいる箇所にメッシュルーターを1台設置します。そして、中継機としてのメッシュルーターを1台ないし2台置いて、家の中にネットワークを構築します。
一般的な大きさのマンションなら合計2台、一般的な大きさの戸建てなら合計3台ぐらいが目安だと思います(一般とは?)
ちなみにホームゲートウェイのルーター機能をONにする場合は、メッシュルーター側はブリッジモードにします。ホームゲートウェイのルーター機能をOFFにする場合は、メッシュルーター側をルーターモードにします。いずれにせよ接続の構成は変わりません。
パターン2 : 有線接続 ルーターモード(Q1が「できる」、Q2は「1か2」)
有線で接続し、メッシュルーターをルーターモードで使う場合は、インターネット回線を家に引き込んでいる箇所にメッシュルーターを1台設置します。そして、HUBを経由して電波が届きにくい部屋にメッシュルーターを1台ないし2台設置します。
やはりこれでも一般的な大きさのマンションなら合計2台、一般的な大きさの戸建てなら合計3台ぐらいが目安だと思います。
パターン3 : 有線接続 ブリッジモード(Q1が「できる」、Q2は「3」)
有線で接続し、メッシュルーターをブリッジモードで使う場合は、インターネット回線を家に引き込んでいる箇所にメッシュルーターを設置する必要はなく、よく使う部屋だけ設置するか、家全体をうまくカバーできることを想定して2台ほど設置します。もちろん、インターネット回線を引き込んでいる場所をよく使うのであれば、そこに1台目のメッシュルーターを置いても構いません(HUB経由での接続)
この場合、わりと2台でもカバーできることが多いため、2台で様子を見てみて、どこか局所的に弱い箇所があれば3台目を追加する形が良いんじゃないかと思います。
コスパ高めな製品
最後に、僕が実際に買ったり、買おうと思っていた製品を紹介しておきます。僕はコスパ厨なので、コスパの良い製品のリストになります。
TP-Link Deco M5 V2 / Deco M4
とにかく安い。デュアルバンドとは言え、3台で2万円前後という価格なのは、この製品ぐらいじゃないですかね。
有線LANが配線してある家であれば、この製品が最有力候補になります。僕の実家にはM5を入れています。
NETGEAR Orbi Micro
とにかく安い、その2。トライバンド3台で3.5万円を切ってるし、何だったら先日セールで3万円を切っているのも見ました。
無線LANで使う時の有力候補。セールの時に買おうかと迷ってたら、売り切れちゃいました。てへぺろ。
Synology MR2200ac
少しお高い。ただ、IPv6対応しているので、フレッツ光のIPv6で使うならこれかなと思っているやつです。NASで著名なメーカーだけに、NAS機能も充実してて面白いです。
また、親となるルーターを Synology RT2600ac に変えて、ルーター機能を強化することもできます。
この辺の、用途に合わせてルーターの強弱をつけられるのは面白いですよね。
Linksys Velop
最初に買ったメッシュルーターです。モノは良いのですが、我が家は上で言うところの「パターン3」なので、ちょっと宝の持ち腐れとなってしまいました。
デュアルバンド3台にしたほうがコスパ良かったかなという感じです。
まとめにかえて
メッシュルーターは凄く快適に使えますし、値段も2万円前後まで下がってきたおかげで、かなり試しやすくなりました。
比較的新しいタイプの製品なので、製品のライフサイクルも早めだったりしますが、であれば最初から高い製品を買っちゃうのではなく、安めの製品で使い慣れてみて、折を見て上位の製品に買い換えるのもアリかと思います。良いなと思ったら、ぜひ試してみてください。
はぁ、それはそれとして、絵心って欲しいですよね。
それでは!