谷本 心 in せろ部屋

はてなダイアリーから引っ越してきました

Intel Mac miniを10GbE対応のNAS代わりにしてみた。

Mac Studioが発表されてすぐに発注し、発売から1週間ほどで手元に届きました。Mac Studioは有線LANがデフォルトで10GbEになっているという思い切りの良さでして、せっかくなのでこの10GbEを活かすべく、家のネットワークを見直すことにしました。

目的

10GbE化して何をするかって言うと、ファイル共有です。

元々はIntel Mac miniで外付けのSSDを3台(Thunderbolt 3、USB-C 3.1 Gen2、USB 2.0)使っていましたが、足りなくなるたびに買い足してポートが埋まっていってしまうため、いずれNASを使いたいなと思っていました。ただ1Gbpsの環境では100MB/sec程度しか出ないため、性能的には微妙です。

外付けSSDはThunderbolt 3のもので2000MB/sec(理論値 4000MB/sec程度)、USB 3.1のもので700MB/sec(同 1000MB/sec程度)が出るため、それらに比べても100MB/secというのはあまりに遅すぎます。

ただ10GbEならUSB 3.1に相当するスピードですから、この環境でならNASも快適に使えそうです。ただ10GbE対応のNASは高いですし、既存のNASSATASSD(HDD)のものがほとんどで、M.2 NVMeのSSDが使えるものがあまりありません。

そんなこんなで迷ってるときに「Mac miniNAS代わりにしちゃえば、十分に性能が出るし便利だよ」と教わったので、今回、Mac Studioを導入する機会にMac miniNAS代わりにすることにしました。

買ったもの

  • 10GbE対応のハブ
  • Thunderbolt 3 → 10GbEアダプタ

10GbE対応のハブ

10GbE対応のハブはまだまだ製品も少なく値段も高めです。今回はこんな条件で選びました。

ただ、すべての条件を満たそうとすると厳しくなるため、今回はポートの数だけ我慢して、比較的コスパの高いTP-Linkの5ポートの製品を選びました。

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他にもQNAPがいくつか10GbE対応のハブを出しています。

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ただ、こちらの製品だとSFP+ポートを10GbEのRJ-45ポートに変換するためのアダプタも必要になると少し出費がかさむため、まずは安いTP-LinkのTL-SX105で試してみることにしました。

Thunderbolt 3 → 10GbEアダプタ

ハブと同じくらい高いのが、MacのThunderbolt 3ポートで10GbE対応の有線LANに変換できるアダプタです。今回はOWCの製品を選びました。

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通常は2〜3万円ぐらいするのですが、公式サイトで箱破損のものが1万円くらいで破格のセールになっていたため、飛びつきました。セール開始から3時間後には品切れになっていましたね。

構成

接続はこんな構成になっています(10Gbpsの部分のみ)

他にもメッシュルーターやら家電やらゲーム機がつながっていますが、今回の話題の対象外なので割愛します。

ベンチマーク

構成を作ったらまずベンチマーク

SSDベンチマーク

まずはMac miniのThunderbolt 3ポートに繋いだSSDベンチマークです。

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Mac miniのThunderbolt 3ポートに接続したSSD

外付けSSDでも2000MB/secを超えてくるあたり、USBやeSATAの時代からすると隔世の感があります。

Mac miniの共有設定でこのSSDに外部からアクセスできるようにして、Mac Studioからアクセスしてみました。そのベンチマークがこちらです。

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10GbE経由でMac miniSSDにアクセス

10GbE = 10000Mbps = 1250MB/sec と考えると、シーケンシャルリードは上限に近い数字が出ています。それに比べてライトは劣りますし、ランダムリードライトはかなりイマイチな感じです。ランダムアクセスはネットワークがオーバーヘッドになりやすいので仕方ないのでしょうけど、もう少しランダムの性能が出てくれれば、直接ThunderboltやUSBで繋いだ場合と遜色ない感じで使えるのでしょうね。

使用感

テキストファイルや画像ファイル、小さな動画ファイルなどは、ローカルファイルと全く変わらない体感で操作できます。この辺は別に1Gbpsのネットワークでもさして変わらないでしょう。

問題は、大きな動画ファイルです。

10GBくらいの動画ファイルをVLCで再生したところ、ローカルで開くのと変わらないスピードですぐに再生が始まりました。ただ、20GBを超えるファイルになると、開くまで数秒くらい掛かることがありました(パッと開くこともあります。謎)

また、無線LAN環境では再生中に止まってしまうようなビットレートの高い動画でも、10GbE環境ではまったく止まることがありませんでした。シーク(見たいところにジャンプ)しても待たされることはありません。このあたりはまさに期待通りの挙動ですね。

そんなわけで、ネットワークを10GbEにすることでファイル共有の使い方が一段階変わったという感想になりました。無線LANWi-Fi 6/6Eにすれば、使い勝手が変わるんですかね? またいずれ試してみたいと思います。

おまけ: 固定回線のベンチマーク

ついでに固定回線をauひかりの10Gbps契約をしたので、そのベンチマークも載せておきますね。

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auひかり 10G契約の回線テスト

めっちゃはやい。